こんにちは、ペッパーです。
今回はこのブログのテーマであるロードバイクのグラベル運用について記していきたいと思います。
わたくしペッパーは、2018年12月にSPECIALIZED ROUBAIX を購入後すぐにグラベル向けタイヤを装着し、約半年間林道や未舗装路を含むライドに使用してきました。
最初に付け替えたタイヤが大分減ってきて交換のタイミングが迫って来たため、その前にこの半年間で感じたこと・気付いたことなどを纏めておこうと思います。
グラベルロードが気になるロードバイク乗りの方や、普通のロードとグラベルロードのどちらを買おうか迷っている方などのご参考になれば幸いです。
“グラベルロード化phase1″ グラベル走破能力向上にあたって最初に行ったこと
私が購入した“SPECIALIZED ROUBAIX”はフォークコラムに内蔵されたサス機構や、トップチューブから独立して固定されるゲル付きの特殊なシートポストにより路面からの衝撃を吸収し、より快適に長距離を走ることに適した、いわゆるエンデュランスロードと呼ばれるカテゴリーのロードバイクです。
勿論、完成車の状態では25㎜のスリックタイヤが装着されており、一般的なロードバイクと同じく、基本的には舗装路を走ることを想定したパーツがアッセンブルされています。
しかしながら、ブレーキがディスクブレーキであったり、最大32㎜のタイヤ幅に対応しているなど、シクロクロスやグラベルロードに近い運用もできそうな懐の広さを有していました。ルーベであれば、最近流行りのグラベルライドをしてみたい私のわがままな要求にも応えてくれそうな気がしました。
「ロードバイクは持ってるんだから、悪路が走りたいなら最初からそれ用のバイク買えばいいじゃん」とも思われそうですが、悪路用バイクをロードベースで作ることで見込めるメリットもあります。
基本的な走行性能はそれらのバイクと比較してロードバイクの方が高く、より速く・楽に・長距離を走れるはずです。100%悪路のライドをするならともかく、舗装路メインで合間合間に未舗装を挟むようなライドがメインになる以上、ロードバイクの運動性能は快適なライドのためには欠かせません。
今現在ロードバイクに乗っているならばなおさらです………
前置きが長くなりましたが、以上のような理由で、私はエンデュランスロードであるSPECIALIZED ROUBAIX をグラベルロード化することにしました。
グラベル化……未舗装路の走破性を向上させるためにできることはいろいろありますが、まずは唯一地面に接するタイヤを変えないことには始まりません。
と言う訳で、まずはタイヤのみの変更を “グラベル化phase1” とし、実際に運用して様子を見ることにしました。
グラベル化にあたって最初に導入したタイヤは“PANARACER GRAVEL KING SK 26c”です。
ファーストインプレッションはこちらの記事でも触れています。
そこそこアクセスをいただいているので、グラベルロード人気は本当なんだなと驚いています(笑)
“SK”=”セミノブ”の名の通り、小さなノブが敷き詰められたトレッドパターンは、スリックタイヤと比較して大幅に悪路走破性を向上させてくれそうな雰囲気を醸していました。
26㎜というタイヤ幅はグラベルロードとしてはいささか中途半端な気もしましたが、いかんせん長年のロード乗りの感覚が染みついており、25㎜以上のタイヤ幅にビビり感があったことは否めません。
また、その他は、ポジション出しのステム変更以外は部品交換をするつもりがなかったのですが、ドライ時のブレーキの音鳴りが若干気になったため、フロントのブレーキパッドを“TRP 純正のセミメタルパッド” から “SHIMANO B01S レジンパッド” に変更しています。
ブレーキキャリパーは完成車付属のTRP SPYER のままです。機械式ディスクブレーキではこれ以外に換えるメリットはなさそうです。
こうして”グラベル化phase1″では、タイヤの変更とフロントブレーキパッドの変更を経て、ロードバイクとグラベルロードの中間のような状態の乗り物が出来上がりました。
はたして、この良く言えば”いいとこ取り”、悪く言えば”中途半端”なセミグラベルバイクの走破性や使い勝手はどうだったのでしょうか?
“グラベルロード化phase1″状態で半年間運用した感想
それでは、タイヤとブレーキパットを交換してセミグラベルロード状態のROUBAIXの使用感を記していきたいと思います。
以下の4種類のシチュエーションについて、走行感や気になったことについて触れていきます。
- 舗装路(舗装の荒れた路面を含む)
- 林道(砂利・小石)
- 河川敷(土+砂利+雑草の平地)
- 山道(土+砂利・石、勾配あり)
舗装路に対して、下の3つが未舗装路と呼ばれるシチュエーションになります。
一般に未舗装路の呼称として、グラベル・ダート・トレイルなどがありますがその辺りの区分けはよくわからないので、文章中でも混同・混在すると思います。ご容赦ください。
タイヤ空気圧については使い始めてから色々試した結果、体重60kgの私にとっては、前後4.5bar程度が、舗装路・未舗装路両方とも安心して乗れるかなという感じでした。
未舗装路での乗り心地やグリップを重視するならばさらに空気圧を落としたいところなのですが、タイヤサイドが割と柔らかめなことなどに起因するのか、4barを下回ると、舗装路でのコーナリング時にタイヤが捩れるような感覚がありました。
チューブドであるためリム打ちなどのリスクも勘案すると、4bar以上での運用が好ましいです。
[舗装路]

まずは未舗装路だグラベルだと言っても、なんだかんだ走行する比率としては最も多くなる舗装路についてです。
一般的なアスファルト舗装・コンクリ舗装の車道においては、ROUBAIXが元々は純粋なロードバイクであること、また、GRAVEL KING SK 26cの重量が荒地向きのタイヤとしてはそこそこ軽量な270gであることから、通常のロードバイクと遜色ない軽快さで走ることができます。
もちろん、軽量なスリックタイヤと比較すると走行時の抵抗は感じますし、登坂時の重さも感じますが、レースでの利用でなければ気にするほどの差ではないと思います。
タイヤのセンター部分に小さなノブが密集していることに起因するのか、一気に加速しようと踏み込んだ際に一瞬反応が遅れるような感覚もありましたが、使い始めて数日で慣れる範囲でした。
舗装路であっても、路面のひび割れや砂利、工事跡など荒れたコンディションの部分は多数存在します。そのようなセクションの走行においては、このセミグラベルロードは無頼の快適性と安定感を誇ります。
快適性についてはルーベに搭載された”Future Shock”によるところが大きいと思われますが、そこにGRAVEL KING SKを組み合わせたことで、舗装路の上に存在する様々なギャップや路面状況を全く気にすることなく走れるため、 舗装路でのロングライドではいままで乗ったどの自転車よりも快適に走ることができました。
他の一般的なロードバイクで同じ走り方をしてしまうと、路面からの衝撃などで余分な体力を消耗するとともに、ハンドルを取られるなどのリスクも生じます。”セミグラベルROUBAX”はある意味では、ロードバイクに乗るのが下手になってしまうダメ人間製造マシンかもしれません(笑)
このようにレース以外のあらゆる用途にお勧めできる性能を有していますが、一点だけ、GRAVEL KING SK の弱点があります。タイヤ全体に敷き詰められた小さなノブは、舗装路での走行が多ければ多い程ガンガン減っていきます。
およそ1500㎞程度で後輪のセンター側のノブがかなり摩耗してきたため、前後のタイヤをローテーションしました。そこからさらに1000㎞程度走行し、もうそろそろ交換の時期が近付いてきているかな?というような感じです。
ホイールがロックするようなブレーキングはもちろんしていませんが、ノブ付きはこんなもんなんですかね?
ノブがなくなっても、タイヤ表面のトレッドはまだまだ厚みがあるはずですから、舗装路での使用には特に影響ないと思われますが、悪路の走破性は低下するでしょう。
[林道]

このブログのテーマでもある林道です。私のイメージ的には、上の画像のような、砂利や砕石などが敷き詰められた道路がこれにあたります。
都心部ではなかなか出会えませんが、山間部で道路から一本逸れた道がこんな感じだったりしますよね。
未舗装の峠道なんかもこれに当たると思います。
このような道はセミグラベルROUBAIXの最も得意とする道です。
砂利や細かい砕石がメインの道では、26mmというタイヤ幅はあまりネックにならず、”Future Shock”のサス機構とロードバイク由来のハンドリングの軽快さは、狙ったコースを思い通りに走らせてくれます。
グラベルキングの小さなノブも乾いた砂利とは相性が良く、グッと踏み込んで加速する際にも、思った以上にグリップしてくれました。
MTBのように道を気にせずガンガンというような走り方はもちろんできませんが、コース取りに慣れてしまえば、MTBには出せないスピードで駆け抜けることができます。この楽しさはスリックタイヤのロードバイクでは味わえません。
しかし、未舗装路を駆け抜ける際、どうしても気になることがあります。石畳のレース”PARIS-ROUBAIX” なんかでもよく見られますが、暴れたチェーンが結構な威力でチェーンステーに叩きつけられます。チェーンがチャーミングな音を出します
ロード1本だった人間には、あの音は精神衛生上よくないです。
MTBやシクロクロス業界の方々は気にしないものなのかな?と思いましたが、どうやらチェーンスタビライザーなる機能の付いたリアディレイラーがあっちの業界では一般的とか!
ロード向けでも“アルテグラRX”や昨今話題の“GRX”にその機能が搭載されているようです。駆動系トラブルの防止と精神衛生の保護の観点から、導入を検討しなければなりませんね。
[河川敷]

前述の林道と同じく、未舗装路・グラベルなんて呼ばれる道です。
一口に河川敷と言っても、砂利道のようなところもあれば、土や雑草が沢山ある場所もあります。それら全てひっくるめて、砂利・小石・土・草などのある勾配のない荒れた路面についてここでは触れたいと思います。
そんな河川敷セクションですが、土・草といった要素が入ると、やはりセミグラベルROUBAIXでは力不足な部分が出てきます。晴れの日でも早朝の濡れた雑草や、ぬかるんだ部分を走り抜けるには絶対的にタイヤの太さが足りず、スリップしたり、ハンドルを取られそうになることがあります。
未舗装路の走行経験を積むとことで、ある程度走り方に慣れてきましたが、やはり、スピードを出してガシガシ進んでいこうとすると、26mm幅の壁に当たる気がします。こういったセクションをより安定して走行するためには、フレームの限界である32mm幅のタイヤを、チューブレスで低圧運用するのがベストでしょう。
グラベルに寄せると舗装路での走行性能は低下するでしょうから、そのあたりのバランスが悩みどころです。
[山道]

最後に、この自転車でどこまで走れるかということで無理を承知で挑んだ山道です。ガチの未舗装路、あるいはトレイルと呼ばれるような道でしょうか。
石・土・草といった要素に加えて、かなりの急勾配のセクションも含みます。こんな道をMTBどころかグラベルロードでもない、なんちゃってグラベルのROUBAIXはどこまで走れるのでしょうか?
結論から言うと、度胸と根性である程度ならなんとかなります。しかし、マシンも人も途中で悲鳴を上げます(笑)
普通にロードバイクで走っていたら、峠の脇道から続くこんな場所には足を踏み入れることはなかったでしょう。というか踏み入れるべきではありません。
しかし、峠のタイムで己の限界に挑戦し続けたロード乗りの性分が疼いたのか、従来のロードバイクとは一線を画す走破性を手に入れたROUBAIXで今まで走ったことのない道を冒険するうちに、よりハードな道を求め、自分とマシンの限界に挑むようになってきてしまいました。
いやいや、ドMではありませんよ?自分にドSなんです(笑)
そんな訳で、よりハードに、より過激に自転車で遊ぶべくたどり着いたのがこのような山道です。どこまでも辛いし、どこまでも怖いですが、とんでもなく楽しいんです!ロードバイクで、ドロップハンドルでここを走ることでしか味わえない楽しさがあります!

まずは下りについて……マジで怖いです。勾配が10%を超えるような道なき道を下るときには、少し気を抜けばひっくり返ってしまいそうなスリルを味わえます。重心の置き方、コース取り、ブレーキング、全てがロードバイクの乗り方とは一変します。
スピードを出して下るなんてとてもできません。特にハードなセクションでは、もうトップチューブに座って下ハンフルブレーキで奇声を発しながら下っていきます。というか落ちていくに近い感覚です(笑)でもこれが楽しい!!
ROUBAIXの”Future Shock”とディスクブレーキ、そしてGRAVEL KING SK のおかげでかなりの無茶ができていますが、もちろんマシンも悲鳴を上げています。サスは底付きしまくるし、長時間低速フルブレーキングしたローターは超高温になって変な臭いがしてきます。
次に上りについて……機材的な限界は常に感じるものの、走れば走るほど自分の上達が感じられ、肉体的には死ぬほど辛いですが非常に楽しいです。
タイヤの幅的に基本的にはまっすぐは走れません。目の前の道の走れそうな部分を選んで、軽いギアで立ち漕ぎでえっちらおっちら上っていく感じです。
乗り越えられないギャップに引っかかったり、スリップしたりでしょっちゅう足を付きますし、ちょっと進んで足を付いてを繰り返すことも沢山あります。
それでも、トラクションのかけ方とコース取りがうまくいくとグイグイ登っていくことができます。この“歯車が噛み合った感”がたまらなく楽しく、自転車に初めて乗れたときの感覚を何度も味わうことができます。
調子に乗るとまたすぐに進めなくなりますが(笑)
いくらグラベル向けのトレッドパターンとはいえ、本格的な山道では26mm幅のタイヤは制約が非常に大きいです。また、下りとは別の部分で機材的な不都合を感じる部分もあります。まず、当たり前ですが”SPD-SL”でガチ山道には行くべきではないです。
上りでは”足を止める=ストップ”ですから、1漕ぎ目のクランク半周分のうちに反対側の足のクリートを嵌めて、次の1漕ぎに移行しなければなりません。
まぁこれが難しい。舗装路を走るときには”つま先でペダルを起こしてクリート引っ掛けてはめ込む”という動作を無意識にやっているつもりでも、進行方向のコース取りとバランスを取ることに意識を向けていると、なかなかキャッチすることができません。そのうえ、クリートは泥や小石が挟まってうまく嵌らない……走り出すだけでも一苦労です。
両面キャッチのSPDペダルのなんと偉大なことか!!
このように困難だらけですが、こんな状態でも度胸と根性である程度なんとかなっているのです。時間はかかりますが、トレイル区間を走りきれます。
パーツ選択次第でよりアグレッシブに、より過酷な道を走ることができる筈です。
以上が “グラベルロード化Phase1″状態のROUBAIXで約6ヶ月走った感想です。
ディスクブレーキのエンデュランスロードにGRAVEL KING SK 26cを装着したときの走破性・限界点はこんな感じです。道としての様相を保っている未舗装路はガンガン走れますし、舗装路と未舗装路を繋ぐようなライドでは、ロードバイク由来の軽快さや走行性能が活かされ、楽しく快適に走ることができます。
道なき道は気合と根性です(笑)
機材的な限界はありますが、通常のロードバイクでは味わえない景色と快感に出会うことができますし、そこにチャレンジしようとさせる何かを持っています。くれぐれも怪我しないように走りましょう。
“グラベルロード化phase2″に向けて
ここから先、ROUBAIXのカスタムの方向性はどうしましょう?
まずは交換のタイミングとなったタイヤについてです。フレームの許容幅は32mmです。ものによっては33mmまでいけるか?チューブレスレディ導入はどうしよう?
その他のパーツですが、グラベルロード寄りにするならば、ロングツーリングに対応するように積載能力を向上させたりといった方向もアリです。しかし、どうも私はのんびり長距離を走るより、ガンガンハードな道を攻めて行く方向に楽しさを見出してしまったみたいです。
だったらMTB乗れば?という感じですが、舗装路だって気持ちよく走りたいんです!
山道をガシガシ走ってから普通のロード乗りの走る峠道に出てきたときのローディーの「なんだこいつ?」という眼差しを受けてからの、舗装路もガンガン上って引き千切ったときの「なんだこいつ(キモっ)」という眼差し……たまりません。自意識過剰&妄想
そんな訳で今後は舗装路での走行性能をできる限り保ちつつ、MTBでしか走れないようなガチの山道での走破性を高める方向でパーツを交換していきます。そして、それにあわせて自身のライドスキルも向上させ、ROUBAIXで道なき道を突き進んでいきたいと思います。
長くなりましたので、“グラベルロード化phase2”の具体的なパーツ交換計画については別の記事にします。
非常に自己満足&自意識過剰な長文でしたが、ここまで読んでくださり誠に有難う御座います。
後日投稿する改造計画記事も是非ご覧になって頂ければ幸いです。
コメント
[…] ロードバイクをグラベル化してから6ヶ月走った感想こんにちは、ペッパーです。今回はこのブログのテーマであるロードバイクのグラベル運用について記していきたいと思います。わた […]
[…] ロードバイクをグラベル化してから6ヶ月走った感想こんにちは、ペッパーです。今回はこのブログのテーマであるロードバイクのグラベル運用について記していきたいと思います。わた […]
パンク修理用に携帯ポンプを持っていると思いますから、未舗装区間に入るところでタイヤの空気圧を2~3気圧まで落とし、舗装路に戻るところでまた上げるというのがグラベルライドの基本です。特にガレた山道は圧を下げるだけで非常に楽になります。
たかにぃ様
以前もアドバイス頂いてたんですが、リム打ちのリスクを恐れてなかなか下げられないんですよねぇ……
次回グラベルを走る際には、パンク覚悟でチャレンジしてみますね!
試すときは徐々に下げてく感じで、空気圧計あればベストですが、なければブッシュ回数で…グラベル向けパーツ交換の話共々レポ楽しみにしています。
次のタイヤではその辺り色々と挑戦&検証してみます!ありがとうございます!